STORY
雨上がりの夜。
主人公・悠真は仕事帰りに、自宅マンションのエントランスへ入った。
郵便ポストの前を通りかかったとき、彼は床まで垂れた大量の紙に気づく。
「……なんだ、これ?」
白い紙束が、だらりと床にはみ出している。
視線を辿った瞬間、悠真は息を呑んだ。
その紙は、自分の部屋番号――六口七号室のポストから溢れ出していた。
投入口には収まりきらないほどの紙が無理やり押し込まれ、
長く垂れ下がっている。
しかも、そのすべてにびっしりと文字が書かれていた。
悠真は恐る恐る、その一部を引き抜く。
「あなたを初めて見た日を、今でも覚えています。」
手書きのラブレターだった。
引き抜いても終わりが見えず、長い紙が次々と
ポストの奥から姿を現す。
悠真は青ざめながら紙をめくっていく。
すると途中で、妙な違和感に気づいた。
文章の一部が、不自然に赤文字になっている。
ところどころ意味の分からない記号が混ざっていたりする。
『謎を全て解けば私の居場所がわかる。』と書かれている。
なぜラブレターをこんな形にしたのか。
そもそも誰が書いたのか。
何一つ分からない。
不気味だった。
それでも悠真は、気づけば最初の謎を解こうとしていた。